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溶射でコンクリ-ト内の鉄筋の陰極保護

コンクリ-トを補強する鉄筋を腐食から守るために、産業界の多くの会社が長年にわたり闘って来た。コンクリ-ト内の腐食の第一の原因は、塩、塩化物と防氷処理剤である。塩は、コンクリ-トににじり入り鉄筋を浸食しコンクリ-トの亀裂と剥落の原因となり、結果としては構造物の潜在的な破損の原因となる。

非常に有効で長期間にわたる解決法の一つが、コンクリ-トを亜鉛あるいは数ある亜鉛合金により金属溶射することである。これは殆どの厳しい環境における幅広いコンクリ-ト製品を守り寿命を延ばす技術である。         

    コンクリート内鉄筋の腐食
    コンクリート内鉄筋の腐食
     割れたコンクリート表面
 

コンクリ-ト内の鉄筋腐食の原理

鉄筋矢印中央部が陽極となり両端の陰極へ腐食電流が流れて腐食産物が発生するので、コンクリ-トを押し上げコンクリ-トに亀裂を発生させる。

亜鉛を溶射した陰極保護のシステムの主な部分は、流電気あるいは犠牲陽極モ-ドとして働く。しかしながら、溶射した亜鉛の陰極保護システムは、多くの場合で強制した電流モ-ドとすることが出来て使われる。

高純度の亜鉛合金が直流電力供給の一極に接続される。 それでコンクリ-ト内に水分があるため鉄筋と亜鉛に電気回路が完成される。 この腐食電池の作用によって、鋼の鉄筋より先に亜鉛が腐食することになるので、鉄筋を腐食から守れる。基材の上に亜鉛を溶射する工程は、皮膜と鉄筋間にコンクリ-トを通じた均一で良い接続通路を確実に保てるものである。

溶射の前に、コンクリ-トの破損した部分は修理するべきであり、その部分の鉄筋も修理あるいは取り替えるべきである。コンクリ-トの表面は、汚れを除去して皮膜が結合するような良い鍵を備えるため軽くブラストされる。構造物の寸法と近接の可能性に応じてメタライゼ-ションのARC140、ARC701又はARC170のいずれかのシステムで皮膜が与えられる。代表的な結合力は亜鉛で3MPaの範囲であり、皮膜厚さは300から500μmの間である。大型のコンクリ-ト構造物に金属溶射皮膜を与えるコストは、特に橋梁などのように近接するのが困難な多くの構造物では取るに足らないものではない。

しかしながら、長期間における利益により、この工程は極度に商業的に魅力のあるものである。皮膜が正しく働くなら、それから与えた皮膜によっても左右されるが、この工程は次の有意義な保全が必要となるまでに20年間までの防食性を提供することが出来る。この工程により構造物の寿命を大きく延ばす保護性能を提供し、さらに構造物の亀裂が起きたコンクリ-ト部分が剥落する高価につく事故を防止する。一旦皮膜を与えたら最小の保全しか必要としない。もし化粧目的で必要なら、亜鉛皮膜は塗装も行える。 

  メタライゼ-ションARC700ガンにより
      Al-Zn-In材料を溶射
  メタライゼ-ションARC700ガンにより
      Al-Zn-In材料を溶射
    パリのシャルルドゴ-ル空港の
    Al-Zn-In皮膜を与えたパネル

数少ない用途では最近開発されたアルミニウムと亜鉛とインジウムの合金が使用されている。 この材料は亜鉛よりも活動的であり、十分な防食の水準を備えるのに強制的な電流を必要としないと主張されている。 この合金を使う防食がパリのシャルルドゴ-ル空港(Roissy)で試みとして行われた。  このロワッシ-空港の基本的施設の殆どの保全はパリ空港当局の責任であるが、空港のコンクリ-トパネルのある部分が悪化していると認められており長期防食の解決策が求められていた。

コンクリ-トはプリキャストのパネルであり2.6×2.8メ-タ-の軽く補強された8センチ厚さで、忙しいタ-ミナル集合地へ行ったり来たりの交通を支えるコンクリ-ト陸橋の下側を形作っている。

防氷塩の流出でパネルコンクリ-トに重要な水準の塩化物をもたらしていた。 パネルには構造的な意味はないのだが、剥落は通過する交通を危険にさらす。悪化条件を確定するためパネルの厳しい検討と試験の後に、パネルの試験面に陽極が与えられた。これは、パネル表面をグリットブラストした後に、メタライゼ-ションのア-ク溶射ガンシステムによりアルミニウム・亜鉛・インジウム合金300μm厚さの陽極が与えられたのである。

各パネルの中心の陽極接続板が、普通の商業的な用途では見ることがない赤い陽極ケ-ブルにより明確に見える。他のケ-ブルは鉄筋へと接続するために走り標準電極へと埋められている。これは現場試験なのでモニタ-機器を装着する必要があった。これは電気化学的性能の計測用に陽極と陰極間で中断出来る接続にするためであった。

2年の後にこれらのシステムは陸橋パネルの防食処理に採用して良い様に見受けられ、この試験は成功したと見なされている。
アメリカにおけるアルミニウム・亜鉛・インジウム合金のもう一つの有意義な用途として、テキサス州ガルヴェストン近くのサンルイスパスブリッジがある。30,000㎥以上のコンクリ-トビ-ムとキャップが、メタライゼ-ションのARC700溶射ガンシステムを使ってフロリダジュピタ-のコロ-ジョンリストレ-ションテクノロジ社によりこの合金で守られた。オレゴン州運輸省(ODOT)はコンクリ-トで他の成功した陰極保護をデモンストレ-ションしている。

橋梁再建築の高いコストを減じるための入札で、溶射した亜鉛陽極と強制電流陰極保護のシステムを適用した。この工程では腐食と以降の再建築からCape Creek 橋を守るのに使用されている。この橋は沿岸環境にさらされており、空気内塩分からの塩化物による攻撃を受けている。この橋の塩化物保護計画の前には、コラムとデッキ下部でかなりのコンクリ-ト剥落の被害を受けていた。

この方法で橋を守るのを選択したことにより、ODOTは橋を再建築しなくて良いので1,300万ドル以上の節約が出来た。陰極保護はかなり高価なコストであるが、それは研削材ブラストと亜鉛溶射残留物を入れるため囲いをした移動可能な作業プラットフォ-ムが必須要件であるためである。亜鉛溶射の時は、環境保護のためにこれらの対策が重要である。しかしながら、橋を再建築するコストに比較する時Cape Creek 橋の大きさから、この節約は知覚出来る。

アメリカのメタライゼ-ションの販売代理店であるデ-ヴ・ウイクソン氏が、「陰極保護は、構造的に健全な現存する構造物の鉄筋腐食を止める経済的な方法である。乾燥したアルカリのコンクリ-ト内の鉄筋は、受動的な鉄の酸化物の薄膜により保護されているが、しかし、一般的には塩からの250Pppmの塩化物溶液に触れたら保護性はなくなる。

守っている鉄の酸化物の薄膜は、赤錆へと変換されて腐食が始まる。コンクリ-トの厚さが>4㎝では塩化物の浸入を防止するだろう。露出した鉄筋と薄いコンクリ-トでは、約250ppmを超える塩化物の濃縮がある所では赤錆で鉄筋の隣のコンクリ-トの剥落が始まる。 強制的なあるいは受身の陰極保護システムを用いた障壁で鉄筋を守り腐食を打ち返すのだ」と述べた。